20年程前に私が働き出した頃、父のことばが私の心の中に今も響いている。
『人生は車の運転と一緒や、前の前の信号を見てアクセル踏むか、ブレーキを踏むか、時代を見て走らなアカン、わしは身体が弱かったから、いつまで働けるかわからん、わしが倒れたら家族が路頭に迷うやろ、銀行から借りる金利も高く、資金繰りも大変やったけど、わしもお母さんと頑張って35の時に賃貸マンションを建てたんや、身体動かんようになっても家賃が稼いでくれるやろ、おまえも頑張れ。』と
そんなん自分には無理やわ…いつかはそんな夢みたいな話、できればいいけど…
建築も不動産もわけも、わかっていない若者は衝撃を受けた。その時はただ目の前にある仕事を感謝して一生懸命働いた…
人には平等に機会が与えられているもの…
時は流れ、実家の一つ隣の小さな土地を購入出来る話が与えられた…家も建てた事もない、土地も購入したこともない、お金を銀行から借りた事もない、すべてがないところからのスタートだった…やっとのことで小さな土地を購入する事が出来た。築40年以上のお部屋を自社でフルリノベし、街の賃貸屋さんに客付をお願いし、ノウハウを学んだ。そして借金の恐怖からお金を貯めては繰上げ返済を繰り返した…それを繰り返すことで担保力を確保した。
宅建の資格を取得すると同時に宅建協会の役員に推薦して頂き、沢山の方の知恵と知識を頂く事ができました。
父のことばを聞いて実行してから早、20年…
お父さんとお母さんが大切に築いてきた固い基礎の上に私は建てさせて頂いている事に感謝しています。『ゼロからいちを作り出す事の難しいさ』が身体に刻まれている。
この恩を忘れずに、しっかりと次の世代にバトンを渡していかなければと思う今日この頃です。